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経営審査事項(経審)その6『技術職員数および元請完成工事高』

今回は総合評定値(P点)を構成する5つの項目のうち④技術職員数および元請完成工事高(Z)についての説明になります。総合評定値を占める割合は25%になります。

1.技術職員数
技術職員数の評価は、一定の建設技術系国家資格保有者と実務経験者(10年以上)の数を評点に反映して行います。有資格者の中でも1級相当の資格者が高評価となり、さらに監理技術者講習や基幹技能者講習を修了したものは各保有資格の点数に加点されます。
加点方法について注意する点は、一人の技術者が加点カウントできる業種は2個に制限されているので、保有する資格に基づいてどの業種にカウントさせるのかを検討し、技術職員名簿に記載するようにします。評価対象となる職員は常勤であることが求められます。社会保険関係書類などの提出により証明します。また不正を防止するため「審査基準日以前に6か月を超える恒常的雇用関係があり、かつ、雇用期間を特に限定することなく常時雇用されている者」に限定されており、これは社会保険や雇用保険の加入日などで確認されることになります。
【技術職員数の算出方法】
技術職員資格区分コード表から、経審を受ける業種ごとに技術職員数値を集計していきます。
(例)集計した技術職員数値が75の場合
①区分:65以上85未満→62×(技術職員数値)÷20+810
②評点計算:62×75÷20+810=1,042

2.元請完成工事高
元請完成工事高の評価は2年平均か3年平均かで行いますが、完成工事高(X1)で選択したパターンと同じになるため、独自に選択することはできない点には注意が必要です。
【元請完成工事高の算出方法】
元請完成工事高に応じた区分の算出式に当てはめて計算します。
(例)元請完成工事高が1億円の場合
①区分:1億円以上1億2千万円未満→26×(元請完成工事高)÷20,000+702
②評点計算:26×100,000(千円単位)÷20,000+702=832

3.技術職員数および年間平均元請完成工事高(Z)の算出
それぞれの計算ができたら、技術職員数および年間平均元請完成工事高(Z)を算出します。
算出式は次のとおりです。
Z=(技術職員数評点)×0.8+(元請完成工事高評点)×0.2
1と2で算出した数字を当てはめて計算すると・・・
Z=(1,042×0.8)+(832×0.2)=999
P点換算すると、999×0.25(ウエイト25%)=219となります。

評点アップする方法としましては、技術者の資格取得のためのサポート、監理技術者講習・基幹技能者講習の受講など。元請完成工事高に関しては短期的に増やすことは難しく、元請工事が受注できる体制の見直し等が必要となります。

朝日 裕美(OPEN行政書士事務所スタッフ、行政書士有資格者)

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