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経営審査事項(経審)その5『経営状況分析』

今回は総合評定値(P点)を構成する5つの項目のうち③経営状況(Y)について説明致します。経営状況が総合評定に占める割合は20%になります。

経営状況は、経営状況分析機関に直前2年分の財務諸表等を提出して、建設業者の経営状態を分析してもらいます。分析結果は『経営状況分析結果通知書』として通知されます。この結果通知書は、経審を申請する時の添付書類になるので、必ず経審を申請するまでに取得します。

経営状況を評価するための指標は8つに分類されますが、それらは4つの属性に分けられます。
4つの属性について軽く説明していきます。

①負債抵抗力・・・借入金や支払利息が多すぎないかを判断します。支払利息が営業利益を上回っているような不健全な状態になっていないか等の評価。
②収益性・効率性・・・売上高や投下資本に対する利益額をみて、利益率が良いかの評価。
③財務健全性・・・総資本に占める自己資本の割合や、固定資産を自己資本の範囲で取得しているか等の評価。
④絶対的力量・・・直前2年平均の現金創出能力、利益剰余金の大きさを評価。

経営状況の評点アップ対策には以下のようなものがあります。評点をアップさせることは、経営改善にも通じます。

【1】借入金についての対応策
⇒借入金の総額と支払利息を減少させる。
・固定預金の解約、遊休資産の売却、役員等に対する貸付金の回収により浮いた資金で借入金を返済
・公的融資を活用し、低利の資金を導入して支払利息を減らす

【2】自己資本の充実
⇒自己資本を増やすため、適正利益を確保して利益剰余金を積み増す。
・増資の実施(現実の資金調達および経営者からの借入金の振替など)
・適正利益の確保による利益剰余金の積み増し

【3】工事原価や販管費の圧縮
・予算に基づいた粗利益の確保(利益の出ない工事は受注しない)
・予算に基づいた支出
・パソコンソフトの活用などにより、積算ミス・重複仕入れの減少に努める
・工程管理の実施・徹底(工期の厳守など)

【4】その他
・売掛債権の積極的な回収
・仮勘定の精算
・減価償却の実施

経営状況の評点は、分析機関に評価を依頼して通知書を入手して経審の添付書類にするので、中身を理解していなくても問題はないのですが、内容を理解して見ていくと、自社の経営状況の見直しと経営状況の改善につながるきっかけにもなります。

朝日 裕美(OPEN行政書士事務所スタッフ、行政書士有資格者)

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